任意売却物件の安全な購入方法や探し方は?メリット・デメリットを解説

任意売却物件

「任意売却物件なら安く購入できるのでは?」
「任意売却物件は購入できるの?」

不動産投資で物件を安く購入するときに任意売却物件を検討する方も多いと思います。

任意売却物件で不動産投資を行う最大のメリットは、物件を安価に購入できることでしょう。物件の購入費を安く抑えられる分、大きな利益が見込めます。

任意売却物件で不動産投資を行う最大のメリットは、物件を安価に購入できることでしょう。物件の購入費を安く抑えられる分、大きな利益が見込めます。

とはいえ、任意売却物件はなかなか表には出てこないもの。探し方が分からない人も多いのではないでしょうか。さらに、メリットの反面、デメリットもあるため、安易に購入することで思わぬトラブルに見舞われることも。

不動産投資における失敗は、経済的損失も大きいため、できる限りリスクを把握したうえで投資をしていきたいものです。

そこで、この記事では任意売却物件の探し方からメリットやデメリット、注意点までお伝えします。任意売却物件の購入を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

  • 任意売却物件が不動産投資に向いている理由
  • 手軽に任意売却物件を探して購入する方法
  • 任意売却物件の購入で失敗する理由
  • 失敗せずに任意売却物件を購入する方法

任意売却物件とはなに?

任意売却物件とはなに?

任意売却物件とは債務者が住宅ローンを払えなくなった場合に、債権者と債務者が互いに合意した上で、第三者に売却される物件ことです。つまり、借金を返済するために売りに出された不動産ということになります。

借金の返済のために売りに出された物件として、他にも競売物件があります。任意売却物件と競売物件の違いは以下の通りです。

 

任意売却 競売
売主(債務者)の意思 自らの意思で売却 強制的に売却
売却価格 相場に近い 相場の7割程度
債務者の退去 住み続けることもできる 強制退去
売却までの期間 短い 長い
債務者の残債の返済 長い 一括

任意売却と競売は、借金返済のための手段であるため混同されがち。とはいえ、対照的な側面も多くあるため、物件を購入する際のリスクや価格にも影響します。そのため、違いを把握しておくと、この記事の以降でお伝えするメリットやデメリットも理解しやすいでしょう。

不動産投資で最も気になる売却価格に関しては、物件の状態や債務者、債権者の思惑による影響も大きいです。

たとえば、任意売却物件の中に割安な物件があるいっぽうで、需要の高い競売物件だと価格が釣り上がり割高になることもあります。つまり、競売物件が任意物件よりも安い傾向にはありますが、任意物件の中にも予想以上の掘り出し物が隠れている場合もあるのです。

以降では、任意売却物件を購入するメリットをお伝えします。

競売物件の購入については「競売物件に投資するのはやばい?|メリットとデメリット」で解説しています

任意売却物件を購入するメリット

任意売却物件を購入するメリット
ここでは、任意売却物件を購入するメリットを4つ紹介します。任意売却物件のメリットを利用することで、不動産投資でも大きな利益が期待できます。競売物件と比較したメリットも紹介するので、参考にしてください。

価格が相場よりも割安

債務者である売主と債権者が早く物件を売却したいために、相場より安く売りに出されていることも。権者側も物件が売れることを見越して、債務者側の任意売却の提案に応じるため、思いのほか物件の状態が良いこともあります

物件を安く購入できれば利回りが高くなり、キャッシュフローも残りやすいですね。

入居者が住み続けてくれる

住宅ローンの返済の滞りによって物件が任意売却されている場合、債務者が住み続けるのを希望ていることがあります。つまり、物件の入居者もすでに決まっている状態になるのです。

そのため、物件のリフォームに費用をかけて新たに借り手を探す必要もなく、入居者からの家賃収入が期待できます。修理費や内装費がなくなる分、高利回りが期待できますね。

内覧できる

任意売却物件は競売物件とは違い、入居者がいる状態でも内覧できるメリットがあります。なぜなら、競売に掛けられるのとは違い、債務者である売主が自らの意思で物件を販売しているからです。

購入前に内覧することで物件の状態を確認して、修理費や内装費といった費用を見積もることができます。結果的に、購入後に予定外の費用が掛かかる可能性も低くなるでしょう。

不動産運用までのスケジュールが立てやすい

任意売却物件の場合、売りに出す時期や引き渡しの時期が明確になっていることが多いです。そのため、物件をリフォームして新しい入居者を募り、不動産運用をはじめるまでのスケジュールも立てやすくなります。

対して競売物件の場合は、債務者側が強制的に退去させられることも多いため、債務者が立ち退きに応じないなどのトラブルに見舞われることもあります。

任意売却物件の探し方と購入まで手順について

任意売却物件の探し方と購入まで手順について
ここでは、任意売却物件の探し方と具体的な購入の手順までを分かりやすく解説します。なかなか表には出ない任意売却物件。探し方が分からないのも、無理もありません。ぜひ、参考にしてください。

任意売却物件の探し方

任意売却物件は、物件の数が少ないことや債務者のプライバシーの問題もあり、あまり表には出てきません。そのため、任意売却物件についての専門サイトを使って探すといでしょう。ここで紹介する専門サイトにメールアドレスを登録しておくと、任意売却物件についての情報を伝えてくれますよ。

任意売却物件を扱うサイトには次のようなものがあります。

任売市場

任売市場
出典元:http://ninbai-ichiba.com/

一般的には出回っていない物件情報が手に入ります。不動産投資を目的に任意売却物件を購入する人のためのサイトです。メールアドレスを登録しておくと、任意売却物件に関する情報を知らせてくれます。

任売物件情報センター

任売物件情報センター
出典元:http://281119.com/index.html

不動産会社や弁護士、司法書士といった任意売却物件の情報が集まる事業者との幅広いネットワークが強みです。全国に張り巡らされた情報網から、精査した任意売却情報のみを伝えしてくれます。メール登録をしておくと、最新の情報を知らせてくれるでしょう。

任売市場・任売売却情報センターについては「任売市場と任売物件情報センターの無料会員に登録すべき?任売物件の探し方」で詳しく解説しています。

任意売却物件を購入するまでの手順

任意売却物件を購入するまでの手順
任意売却物件の購入の流れは、不動産物件を通常通りに購入する手順とほぼ同じです。
つまり、以下のような手順になります。

  1. 購入物件を決定
  2. 下見や内検
  3. 条件交渉
  4. 買付証明書を売主へ提出
  5. 売買契約を結ぶ
  6. 物件の引き渡し

通常であれば2~3ヵ月程度で引き渡しまで完了すると言われています。競売物件よりも、比較的にスムーズに進みます。とはいえ、通常の不動産物件の取引との重要な相違は、物件の引き渡しまでにトラブルが発生する点です

次に、任意売却物件をめぐるトラブルや問題といったデメリットをお伝えします。

任意売却物件のデメリット|トラブルや注意点

任意売却物件のデメリット|トラブルや注意点
任意売却物件のデメリットの原因は、売買に債権者の思惑が絡むことと、瑕疵担保の免責によるものです。ここでは、債権者の思惑に関する事項を2つ、瑕疵担保の免責に関する事項を1つお伝えします。注意点や対策も一緒に解説するので、参考にしてください。

売主(債務者)が夜逃げする

任意売却物件の引き渡しが決まった後に、債務者である売主が夜逃げしてしまうこともあります。特に、債権者が複数いる場合は注意が必要です。なぜなら、物件の売却後も残債が残る場合、債権者と債務者との間で返済額や売買代金の配分で折り合いがつかずに、債務者が逃げす可能性もあるからです。

夜逃げの対策は手付金の支払いには応じないようするか、支払うにしても少額に留めておくことです。

売買契約が白紙になる

複数の債権者がいる場合、債権者と債務者の協議が折り合わずに、売買契約が白紙になる場合があります。また、売却価格が安い場合も債権者や債務者の同意を得られずに、契約が白紙になる原因になります。

売主の夜逃げと同様に、債権者が多いと可能性が高くなるトラブルなので注意が必要です。また、任意売却物件の額が、売主である債務者の残債の額を下回る場合は、値引交渉は難しいと心得ておきましょう。

物件の修理費の負担が大きくなる場合がある

任意売却物件は、瑕疵担保は免責されます。つまり、現状のまま手を加えずに物件を売買するのが通例です。そのため、物件の状況が劣悪な場合は、修理やクリーニングなどに多額な費用がかかる可能性があります。

不動産運営までに想定外の費用がかからないように、購入前の内覧で、しっかりと物件の状況を確認しておくことが大切です。さらに、安価な物件であっても購入後の修理費も考慮して、不動産投資の利回りを考える必要もあるでしょう。

任意売却物件の購入で失敗しないためには

任意売却物件の購入で失敗しないためには
ここでは、任意売却物件の購入で失敗しない心構えや、具体的なポイントをお伝えします。不動産投資は失敗した場合に大きな損失を被るため、できる限り失敗を割けるようにしましょう。
小見出し:手間を惜しまずトラブルにも臨機応変に対応する

任意売却物件の購入で失敗しないためには、物件購入までの手間を惜しまないことが重要です。任意売却物件が相場より安く買えることにのみ意識を向けるのではなく、その裏にあるデメリットも意識しておく必要があります。

そして、任意売却物件は内覧ができるメリットを生かすことも大切です。つまり、投資対象とする任意売却物件の状況をしっかりと確認して、管理費や修繕積立金にも不払いがないかも一緒にチェックしておきましょう。

さらに、抵当権の有無や競売や差し押さえが取り下げられているかも重要なチェックポイント。複雑な内容でもあるため、不動産売買に強い弁護士や司法書士といった専門家に相談するのおすすめです。

いずれにせよ、不意のトラブルにも臨機応変に対応できる心構えが大切になります。

手付金は控えめに

任意売却物件の売主はローンを支払うことができない債務者です。そのため、多額の手付金を直接、支払うと持ち逃げされる可能性もあります。

手付金は少なめに支払うことにして、さらに売主に直接渡すのではなく、不動産仲介業者に引き渡し完了まで、一旦は預かってもらうといいでしょう。

まとめ 任意売却物件への投資はメリットとデメリットを把握しよう

不動産投資の一番のメリットは、相場より安価に購入できることです。とはいえ、購入の際のリスクやトラブルにも目を向けておきましょう。

大切なのは、トラブルが起こった際に臨機応変に対応できることや、不測の自体を事前に予見してあらかじめ対策を講じておくことなのです。対策を講じる際には、任意売却物件は内覧ができる、引き渡しまで時期が明確でスケジュールが立てやすいといったメリットを生かすといいでしょう。

任意売却物件への不動産投資を成功させるためにも、メリットとデメリットをしっかりと把握して投資をしていきたいものですね。

 

不動産投資で稼ぐには?「不動産投資の利回りについて|平均、計算方法、最低ラインは?」を参考にしてください。