ワンルームマンション投資で成功するには?選び方・メリット・デメリットを解説

サラリーマンの投資で真っ先に思いつくのが不動産投資です。特に、ワンルームマンション投資は、誰でも気軽にできる不動産投資として人気があります。しかし、ワンルームマンション投資は気軽といえども、闇雲に行う訳にはいきません。そこには不動産投資に関する知識や、専門家のアドバイスや、冷静な判断が必要不可欠です。そんなワンルームマンション投資をこれから始めてみようと思う人に、わかりやすく解説していきます。

ワンルームマンション投資とは

ワンルームマンション投資とは

ワンルームマンションとは、主に1R、1DK、1LDKのことです。ワンルームマンションを購入し、その後第三者に賃貸し賃料収入を得るのがワンルームマンション投資です。一般的には中古が多く、街にある不動産会社で物件の紹介を受けられます。稀にある新築は、不動産デベロッパーが分譲しています。

 

なぜ、ワンルームマンション投資は人気があるのか

なぜ、ワンルームマンション投資は人気があるのか

ワンルームマンション投資が人気の理由を3つ紹介していきます。

誰でも気軽に手を出しやすい

ワンルームマンション投資は、比較的身近であるので高い認知性があります。したがって、ある程度得体が知られている投資商品であることから、気軽に手を出しやすいのです。

また他の投資商品に比べると、投資用ローンの商品が充実しており資金調達がしやすい、ワンルームマンション自体の販売が多くあり選択肢が広い、ワンルームマンションを扱う不動産業者が多い、価格も投資商品の割には安価に済む場合もある、というのが気軽に手を出しやすい理由です。

収入が年金代わりになる

ワンルームマンションは、将来的に賃料収入が年金代わりになります。ワンルームマンションは、比較的都心部の好立地に多くあります。好立地であれば、賃借人の需要は落ちにくく、空室リスクがあまりありません。

したがって、長期間安定的に賃料収入が見込めます。現に働いていれば副業収入として、リタイア後は年金プラスαの収入となるので、老後は助かります。特に、年金制度は将来先行き不安であるので、年金収入のバックアップ的な考え方でもよいでしょう。

流動性が高く売却しやすい

仮に、現金が必要になった場合に売りやすいのがワンルームマンションです。理由は、住戸はコンパクトであまり値が張らない、好立地のワンルームは需要が多い、投資商品として身近、などです。

特に、価格は不動産商品でありながら、比較的安価に済むので購入できる層が幅広いです。また、需要自体は都心に近づくほど徐々に底固くなります。ワンルームなので家賃は安く、大学生・社会人など誰でも借りやすいことから、借りることができる人が多いのです。

ワンルームマンション投資のメリット・デメリット

ワンルームマンション投資のメリット・デメリット

ここでは、ワンルームマンション投資のメリット・デメリットを紹介します。不動産投資は良い事ばかりではないので、投資するリスクも理解する必要があります。

メリット

  • リスクがあまり大きくない
  • 仕組みがわかりやすい
  • 節税も出来る
  • 管理は楽
  • 長期間安定的に収入が見込める

ワンルームマンションは、他のアパート投資などに比べると安価に済みリスクが大きくありません。また、ワンルームマンション投資の、購入した不動産を貸して賃料を得るという仕組みが、単純でわかりやすいです。

次に所得税や住民税の節税にもなり、お得なケースもあります。更に、管理会社に委託すると管理費は掛かりますが、入居者とのやり取りや賃料回収など面倒な業務ありません。最後に、入居者が決まれば長期間賃料収入が見込めます。

 

デメリット

  • 収益性があまり高くない
  • 維持費が掛かる
  • 空室リスクがある
  • 築年数が経過すると家賃下降リスクもある

ワンルームマンションの月々の収益性はあまり高くありません。一般的には管理会社に委託するので管理料や、ローンの支払い、固定資産税などの固定費を差し引くと収益は大きくないので、長期間経営し続けることが重要です。次に、築年数が経過すれば設備や内装が劣化してきます。
例えば、給湯器、エアコンは約15年で交換、火災保険は10年おきに更新、フローリングやキッチンは約25年で交換、退去ごとに鍵の交換・室内クリーニング、などです。

次に、空室リスクです。賃借人が退去すれば1か月以上空室になることは想定しないといけません。空室にも耐えうる資金計画が重要です。最後に、築年数が経過し建物が古くなると、家賃が下降していくリスクもあります。できれば、築30年経過時にローンは完済できていることが理想です。

ワンルームマンション選びのポイントとは

ワンルームマンション選びのポイントとは

投資するワンルームマンションは、どのように選別していけばよいのでしょうか?ここでは5つのポイントについて紹介します。

立地

まずは、一にも二にも不動産は立地が全てです。立地は都心部に近ければ近いほどよいのです。できれば山手線の内側が理想ですが、場所も限られてくるので、山手線の外側でも急行で一駅、若しくはターミナル駅まで15分以内、各駅停車で4駅前後が理想です。例えば、京浜東北線であれば品川から3駅の蒲田、東急田園都市線であれば渋谷から5駅の用賀、西武池袋線であれば池袋から5駅の練馬位までが理想です。

駅に近い

次に、上記の立地にプラスして駅に近いことです。路線は、都心に直通するJR・私鉄の駅で、徒歩5分以内です。できれば、急行等が停まる駅であれば本数が多いので理想ですが、不動産価格は高くなります。したがって、各駅停車のみの駅であっても、ターミナル駅に近ければ利便性も高まりますし、電車が急行より空いている場合も多いので、通勤通学はしやすいこともあります。

人気の街

人気の街は、賃貸需要は落ちません。例えば、若者に人気の下北沢・自由が丘、治安が良くて人気の武蔵小山、都心に近く住みやすい笹塚・大井町などです。特に、繁華街がある街は、スーパーやドラッグストアや飲食店が多く、一人暮らしの人には住みやすい街です。更に、人気の街に住んでいるというステイタス感や、憧れの街に住みたいという潜在的な需要もあるので、賃貸需要は落ちません。

間取り(部屋の形)

間取り(部屋の形)も重要です。細く縦長の間取りよりは、バルコニーなど横幅の広い間取りの方が、LDや寝室のレイアウトが良く使いやすい形になっています。更に、部屋に柱の出っ張りがなく、収納が多ければ部屋内を広く使えるので、人気があります。

需要が多く見込める賃料か

最後に、賃料設定が相場並みに設定できているかです。ワンルームは賃料の安さが魅力です。周辺相場をよくリサーチし、高稼働率を維持できる賃料設定にできているかが重要です。

ワンルームマンション投資は新築と中古どちらが良いのか

ワンルームマンション投資は新築と中古どちらが良いのか

ワンルームマンション投資は、新築と中古どちらが良いのか。双方のメリット・デメリットを紹介します。

新築のメリット・デメリット

新築のメリットは、建物が新しく最新設備であるので、修繕費用はあまり掛かりません。部屋の遮音性やセキュリティなども充実しているので、貸し手側も安心です。また築年数が新しければ、賃料については多少強気でも賃借人がつく可能性があります。

デメリットは、中古に比べて初期費用は割高になります。新築は、もともと販売価格に売主の販売費や利益が含まれているので、中古よりは高くなります。次に初期費用が高いので、利回りが悪くなります。したがって、投資資金回収までに時間が掛かるのです。

中古のメリット・デメリット

中古のメリットは、新築に比べて安価に住戸を購入できることです。安価に済んだ分をリフォーム費に充てることも可能です。次に、中古はさまざまな場所に売り物がでているので、選択肢が広いです。希望の駅・立地・環境で探すことが可能です。

デメリットは、購入時に仲介手数料が掛かります。次に、築年数が古過ぎると弊害もあります。

一つ目は、マンション自体の建物寿命が短く、修繕費や建て替え等で余計に費用が掛かる場合があります。

二つ目は、マンションの管理自体が成り手不足で行き詰まり、何年後かには区分所有者での管理組合が成立しないような事態もあります。最後に、築年数経過毎に売却しにくくなります。

ワンルームマンションに掛かる税金

ワンルームマンションに掛かる税金

ここではワンルームマンションに掛かる税金を、購入時・賃貸時・売却時に分けてご紹介します。

購入時

購入時に掛かる税金は、基本マイホーム購入時と変わりません。物件契約時・ローン契約時に印紙代、不動産会社への仲介手数料(中古の場合)や、売主が不動産会社の場合に消費税、登記をする際の登録免許税です。尚、マイホームではないので登録免許税の軽減はありません。

賃貸時

ワンルームの引き渡しを受けた時に掛かるのは、不動産取得税です。また、その後は毎年固定資産税と、不動産所得(=収入金額―経費)に対しては所得税と住民税が掛かります。尚、少しでも節税したい場合は青色申告がお勧めです。事業的規模としてマンションをおおむね5室相当保有すると、最大65万円の特別控除を利用できます。

売却時

売却時に掛かる税金も、基本マイホーム売却時と変わりません。売却金額から減価償却費や売却に掛かった経費を差し引いた金額で、利益が出ていれば譲渡所得税が掛かります。税率は、起算日の1月1日時点で5年以内の所有期間の場合39.63%、同様に5年超で20.315%になります。尚マイホームではないので10年超の軽減税率はありません。

マンション売却については「マンション売却の税金はいくら?」で詳しく解説しています。

ワンルームマンション投資で失敗する理由

ワンルームマンション投資で失敗する理由

ここでは、ワンルームマンション投資で失敗してしまった理由を紹介します。先人の失敗を糧に、自らの投資は成功するようにしっかりと学んでいきましょう。

稼働率が悪く失敗

不動産投資は、稼働率が重要です。賃料収入があってはじめて成り立つので、入居者がいないのはかなり痛手です。退去されれば当然1か月以上空室になることもあります。常に満室想定ではなく、稼働率を低く見積もっても収益が見込めるかがポイントです。また稼働率の悪さの原因は、立地的な問題・賃料設定の問題・間取りの問題など様々です。

利回りの見込みを甘く見積もって失敗

年間の収入金額を初期投資額で割ったのが表面利回り、年間の収入金額から管理費や税金などの経費を差し引いた金額を、初期投資額で割ったのが実質利回りです。利回り計算は後者で行うのがお勧めです。

前者の利回りで見込むと、経費等が反映されてなく投資自体が見込み違いになる可能性があります。したがって、投資するかは厳しめの数字で見て判断します。利回りは、東京都心では実質利回りで3%取れればよい方です。ワンルームマンション投資の1室あたりの利益は、大きくはありません。気長に少しずつ利益を上げていく心構えも必要です。

固定費を考えずに失敗

先述に関連することですが、不動産収入を得るにはさまざまな経費が掛かります。税金、管理費、修繕費などが掛かります。収益だけにとらわれず、経費についても事前に把握しておく必要があります。

売却できずに失敗

賃借人が退去して売却しようと思ったら、想定通りに売却ができないこともあります。売却出来ない主な原因は、築年数が古すぎる、立地が悪いなどです。このような場合は大幅に価格を下げたりするので、実質的に収支の合計は悪くなります。特に築年が1981年より前の旧耐震マンションの場合は、売りにくくなるので要注意です。

 

長期的な視野で計画を立てず失敗

ワンルームマンション投資は、短期間で大きな利益がでる商品ではありません。長期的な視野で経営計画を立てるのがポイントです。一つの事由で一喜一憂するのではなく、想定の稼働率を決めておきます。

また、空室リスク・家賃滞納リスク・家賃下落リスク・災害リスク等があるので、事前に回避するための策を講じます。このような準備があれば、物事を長期的な視野で分析でき、都度冷静な判断ができるのです。

 

ワンルームマンション投資で成功するポイント

ワンルームマンション投資で成功するポイント

ここでは、ワンルームマンション投資で成功する秘訣を紹介します。下記は投資を行う基礎的な部分です。基礎を身につけることが成功への近道です。

物件選びは慎重に

まず物件選びは慎重に行います。不動産購入は先着順である場合が多いので、決断を焦ってしまいがちです。しかし、仮に他の人に取られてしまったら、その物件に縁がなかっただけと考えて、次を探していけばよいのです。

100%に近いローンを組まない

次に、100%に近いローンを組まないことです。理由は、収益をほぼローンの支払いに充当していると、空室になった場合は月の収支的な赤字が大きく、空室リスクに耐えられなくなるからです。不動産投資費用には、少なくとも3割程度の自己資金が投入できるものを選ぶことが望ましいです。

頭金については「不動産投資の頭金の割合は3割って本当?頭金なしは危険!?」で詳しく解説しています。

知識をしっかりと身につける

無知な状態での不動産投資は失敗します。失敗の危険を事前に察知できずに、気づいた時には手遅れという事態になる可能性があります。ワンルーム投資の術を知ったうえで行うのが成功への近道です。

ポイント

 

不動産投資にはリスクがつきものです。一攫千金を狙って全財産を投資するのではなく、計画的に自分の身の丈に合った投資をしましょう。そして可処分所得の余裕ができたら、2部屋目、3部屋目と更なる投資をし、1部屋にリスクを集約せずリスクを分散させることも成功に必要不可欠な要素となります

この記事のまとめ

ワンルームマンション投資は身近で誰でもできる不動産投資ですが、安易に手を出すと必ず失敗します。また、ワンルームマンション業者の中には、悪徳不動産業者や詐欺まがいの事例も多くあるので、“すぐ儲かる”などの甘い言葉で騙されないようにします。ワンルームマンション投資するのであれば、自身なりに事業計画を立て、先を見据えることを行い、慎重且つ冷静な判断が必要です。